このページはPR・広告を含みます

水産資源の調達を合弁会社で固める動き F&LCと協立の新会社が示す資源確保の新しい形

水産資源の調達を合弁会社で固める動き F&LCと協立の新会社が示す資源確保の新しい形のイメージ

本ページは公開情報を整理した業界レポートであり、特定の事業者・技術・種苗の推奨ではありません。

ニュースの概要

水産物の調達を担う新会社が動き出した。回転寿司チェーンなどを展開するF&LCと協立が共同で出資する合弁会社「FOOD & LIFE KYORITSU MARINE」が事業を開始したと報じられている。狙いは、水産資源を安定的に確保する体制づくりだ。漁獲量の変動、国際的な買い付け競争、為替や燃料費の上昇など、水産物の調達を揺らす要因は年々増えている。外食チェーンにとって魚は看板商品の原料であり、仕入れが途切れれば売り場も止まる。そこで販売側と供給側が一つの会社を共有し、調達の入り口から関与する形を選んだことになる。出資比率や取扱品目などの細かな条件は、確認できた範囲を超えて推測しない。

引用元: 水産資源の安定調達に向けF&LCと協立の合弁会社「FOOD & LIFE KYORITSU MARINE」事業開始(ニコニコニュース)

分析・見解

買う側と売る側が一つの会社を持つことで何が変わるか

通常、外食チェーンは商社や卸から魚を買う。市場価格が上がれば仕入れ値も上がり、数量が足りなければ待つしかない。合弁会社は、この買う側と売る側の間に共通の持ち分をつくる仕組みだ。単に取引先を変えるのとは違い、双方が利益と責任を分け合う。そのため不漁の年でも、数量を優先して回してもらいやすくなる。供給側にも利点がある。大口の買い手が決まっていれば、仕入れや在庫の計画を立てやすい。

似た例は他の業界にもある。食品メーカーが農家と契約栽培を結ぶ。小売が産地と共同で商品をつくる。水産でも、養殖業者や漁協との連携が増えてきた。今回の合弁は、その流れを会社という形で固めた例と読める。

水産物の調達が年々むずかしくなっている背景にあるもの

水産物は工業製品と違い、需要が増えても簡単には増産できない。天然の魚は漁獲枠や海水温の変化に左右される。日本近海でも、サケやスルメイカなどの不漁が近年たびたび話題になった。さらに世界的に魚を食べる国が増え、買い付けの場で日本が必ずしも優位ではなくなっている。円安の局面では、同じ金額で買える量そのものが減る。需要は一定なのに、供給の不安定さだけが増えている。これが現在の構図である。

養殖も万能ではない。餌代、稚魚の確保、海の環境への負荷といった別の制約があり、出荷できるまでに年月もかかる。だからこそ、どこから、いくらで、どれだけ確保するかを、複数の手段で押さえておく必要が出てくる。

調達の川上に近づくほど、抱えるリスクも増えていく

調達を自社に近づけると、価格の急騰には強くなる。一方で、不漁や相場の下落を自分たちで抱えることになる。在庫を持てば保管費がかかり、鮮度の管理も求められる。合弁会社がうまく回るかどうかは、魚の目利き、冷凍冷蔵の物流、品質検査をどこまで一貫して運用できるかにかかっている。ここが弱ければ、中間業者が一社増えただけの形になりかねない。

資源を守る姿勢が、取引を続ける条件になりつつある

見落とされやすい点がある。今後は安く確保するだけでは足りない。水産エコラベルや、違法な漁でないことの証明を、海外の取引先や消費者が求める流れが強まっている。大手の外食が調達に深く入るなら、産地や漁法を説明できる仕組みも同時に整える必要がある。安定調達と資源保全は対立するように見えて、実は同じ方向を向いている。獲りすぎれば、いずれ自分の仕入れ先を失うからだ。

当サイトが扱う建設発生土の再資源化も、構造は近い。土は出る場所と使う場所が離れており、受け入れ先が決まらなければ運搬が止まる。入り口と出口を早くつなぐ者が、資源の流れを握る。

ビジネスへの影響

仕入れ先との関係を「取引」から「共同事業」へ見直す

外食、小売、食品加工の担当者は、まず自社の原料のうち、一つの産地や一社の取引先に偏っているものを洗い出したい。偏りが大きい品目は、価格より先に数量が止まる危険がある。次に、長期の購入量を約束する代わりに、優先供給や価格の変動幅を決める交渉ができるかを検討する。出資まで踏み込まなくても、数年単位の契約や共同の品質基準づくりで、効果の一部は得られる。

中小企業は小さく始め、代替の手を先に用意する

合弁会社は大手の手法に見えるが、考え方は小さな会社でも使える。第一に、使用量の多い上位三品目を決める。第二に、それぞれ代わりになる産地や魚種を二つずつ用意する。第三に、代替品を使うときのメニューや価格の変更案を、あらかじめ作っておく。これだけでも、不漁の知らせを聞いたその日から動ける。

出口を先に決める発想は、建設発生土の再資源化にも効く

資源を買う場合も、出す場合も、相手と将来の見通しを共有する仕組みが一番の安定策になる。建設発生土でも、排出する側と使う側が早い段階で数量と時期を共有すれば、無駄な運搬と処分費を減らせる。水産の合弁は、その考え方を大きな規模で実行した事例として参考になる。

関連記事

本サイトは公開情報を整理した業界レポートであり、特定の事業者・技術・種苗の推奨や投資助言ではありません。市場規模・生産量などの数値は出典の時点のものです。事業判断は各社公式情報・行政資料をご確認ください。